㈱菓業食品新聞社

お菓子の業界紙

西村衛生ボーロ 梅津新工場

   

西村衛生ボーロ 梅津工場

 明治26年創業の㈱西村衛生ボーロ本舗(西村淑子社長)は、今年1月より右京区梅津の新工場を稼働させている。
 新工場は、敷地面積1217㎡、2階建てで延床面積1376㎡。1階を生地合わせ・練り・焼き工程とし、2階で包装、1階から出荷する流れになっており、生産設備の多くは新調し、生産能力は1.5倍になった。

 従来の本社工場は中京区御所南の住宅地の中にあった。「操業から50年たち、手狭なことに加え、夜の操業、トラックの出入りが不自由であるなど、諸問題があった。海外需要も増える中、新しい工場用地を以前から探してきた。
 新工場となり、大型トラックの出入りができ、輸出用コンテナにも直接積めるようになった。また、床面積が広がったので、ゾーニングが可能となり、食品衛生面での向上も図れた。今後FSSC22000の取得を目指していく」とのこと。

 新工場となって、製造方法は変わっていないが、原材料の面では、小麦の使用を一切止めた。結果、衛生ボーロの原材料は、馬鈴薯澱粉、砂糖、水飴、卵とシンプルで、小麦・乳アレルギーの人でも食べることができ、安全性が高い。香料、着色料、保存料等の添加物は一切使用しておらず、乳児にも安心して食べさせることができる。

 同社では味や安全性が評価され、海外とくに中国本土への輸出が4、5年前から増えている。この間、展示会などに出展し、認知度を高める努力も続けてきた。現在、大連、上海、広州など沿岸部を中心に、高級スーパーやベビー用品店で扱っている。そのほか、台湾、アメリカ、オーストラリア、インドネシアなどに輸出している。

 新工場稼働で、生産余力ができ、新製品の開発等新しい施策も進めていく。
 同社では現在、エイセイボーロのほか、野菜ボーロとして、ほうれん草、にんじん、かぼちゃを製造しているが、「今秋を目標に『むらさきいも』を商品化し、その後も新フレーバーを計画していきたい」としている。
 加えて、百貨店向けの高級商材への取り組みを更に拡充していく。「大きめのボーロを新デザインのパッケージに入れ、『京焼菓子』を強みに勝負していきたい」と語る。

▷西村衛生ボーロ本舗 梅津工場 京都市右京区梅津石灘町20-1