㈱菓業食品新聞社

お菓子の業界紙

バイカル 下鴨本店 オープン

   

バイカル下鴨本店

 洋菓子製造の㈱バイカル(岩井一路社長)は、バイカル下鴨本店の建て替え工事を終え、11月15 日(金)に新装オープンした。
 北大路下鴨本通交差点にある下鴨のランドマークともいえる店が、「京の洋菓子」をテーマに、出格子など町家の趣を取り入れた京モダンな建物に生まれ変わった。夜はライトアップもしている。

 同店は川勝三郎氏により1955年に創業。いち早く冷蔵ショーケースを導入し、生クリームのケーキを販売する洋菓子店の先駆けとして人気を得て、市内に支店を出店し京都を代表する洋菓子店の一つとなる。

 店内に入ると、バイカルのカラーである赤が映えるショーケースが迎える。右手には、アップルパイの工房があり、ガラス越しに作業風景を店内外から見ることができるのも特徴となった。

アップルパイ工房

 商品構成では本店限定菓子を多く用意した。
 特にケーキでは工房が隣接していることを活かし、様々な挑戦をしていく。テーマとする「京の洋菓子」を踏まえ、水尾の柚子や京都産抹茶などの素材を意識するだけではなく、「京抹茶ケーキ」は茶室、「花いちりん」は上生菓子、「はんなりショコラ」は芸舞妓の花かんざしをイメージさせるなど、造形も工夫している。
 竹田嘉信グランシェフは「『花いちりん』『はんなりショコラ』では、色と味を季節によって変えていきたい。ショーケースで季節の移ろいを感じていただけたら」と話す。

「花いちりん」「はんなりショコラ」

 焼菓子でも本店限定菓子を充実させたが、こちらは洋菓子店としての70年の伝統を感じさせるものを用意した。
 竹田シェフが自信を持って勧めるのは「バイカルクッキー」。
「当店の原点に戻る気持ちで考案した。創業当時のロゴの入った型を職人に頼み鋳造した。マダガスカル産バニラビーンズ、フランス産発酵バターなど素材には最高のものを使い、厚みや食感に吟味を重ねた。流行り廃りではなく、シンプルで美味しいものを求めた」と話す。バラをあしらった美しい化粧箱に入り、18枚3000円。


「バイカルクッキー」

 竹田シェフは「創業100年に向け、地元の方に愛され続ける店でありたい」と話す。