㈱菓業食品新聞社

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上尾製菓「ねこ忍茶カプチーノ」

   

「ねこ忍茶カプチーノ」

クラウドファンディングで達成率731%

 京半生菓子製造の㈱上尾製菓(榎俊也社長)は、クラウドファンディング(CF)サイト「Makuake」にて、新開発商品「ねこ忍茶カプチーノ」の先行予約販売を行い、約1カ月で達成率731%、応援納入額は200万円を上回った。

 「ねこ忍茶カプチーノ」は、可愛らしい猫の形をした固形物で、お湯に溶かすと地元・宇治田原の抹茶・ほうじ茶を使ったカプチーノが出来上がる。

 担当した榎文昭氏は、新しい試みとしてCFを使用した理由として、地元・宇治田原の茶産業への貢献となること、新商品の良さを直接消費者に訴えることができること、などを挙げた。

 いざ始めてみると、思った以上の注文があり、コメント欄は商品への期待で溢れた。その理由として、SNSを始め告知したり、地元で試飲会を実施したりなどのPR活動も行ったこともあるが、なんと言っても商品に魅力があることだと思われる。

猫がドロンと消える

 猫の可愛らしい造形。それがお湯で溶けて、カプチーノになるという面白さ。その製造には、落雁や懐中しるこの伝統的製造技術を駆使して、「固める」ことと「溶けやすいこと」という矛盾する点を克服して成し遂げた。茶畑が広がり日本緑茶発祥の地といわれる宇治田原の厳選した茶葉を使用しており、歴史と技術に裏打ちされていること。

落雁の技術を応用

 ネーミングについては、社内で「お風呂に入った猫」などいろいろ考えたが、「かわいい猫ちゃんが溶けてしまうのはかわいそう」という意見が出た。忍者ならば、ドロンと消えてしまうということで、決めたという。
 ネーミングも商品の面白さに一役買っている。

 同社では、「ねこもにゃか」など猫のキャラクターを使った商品が人気となっている。
 「お盆菓子などの需要が減る中、若い方に向けて考えた。結果、猫関係のショップだけでなく、雑貨店や母の日などのイベント商品やネットの通販など今までなかったチャネルとつながることができた」と話す。今回のCFでも猫関係商品との詰め合わせセットも人気を呼んだ。

 「ねこ忍茶カプチーノ」は5月20日から自社サイトでの予約販売を開始。発送は、まずはCF注文分からになるので、8月頃からになるという。