㈱菓業食品新聞社

お菓子の業界紙

Tsuroku 新しいぼうろ菓子 誕生

   

Tsuroku「小箱こつぶ」(アールグレイ)

 そばぼうろ製造の平和製菓㈱(野田英彦社長)は、12月18日(金)下京区の京都タワー1階のショップを一新し、新ブランド「Tsuroku」を立ちあげた。チョコ含浸とパウダーによって誕生した新しい「ぼうろ菓子」を販売している。

 Tsuroku(つろく)とは、京言葉で「調和する、あわせる、うまくなじませる」という意味。野田社長は「伝統のそばぼうろと他の素材をうまく調和させて、新しいおいしさを創造するという意味を込めた」と話す。

Tsuroku「小箱こつぶ」各種

 今回登場したのは、抹茶、カカオ、アールグレイ、ほうじ茶、ニッキの5味。
 自社製造したぼうろに、隣接する含浸工場で宇治抹茶チョコを染み込ませ、各種フレーバーのパウダーをたっぷりかけた。ベースにすべて抹茶チョコを使ったのは、研究した結果、様々なフレーバーと合う汎用性があったからだという。
 抹茶ベースにアールグレイは一見不思議な感じがするが、一体となった豊かな香りと甘さ控えめで軽い食感がまさに「つろく」しており、芳醇なお菓子に仕上がっている。

たっぷりパウダー

 同社がチョコ含浸という新技術に取り組んだのは、4年ほど前からになる。
 2年前には本社工場に隣接して専門の工場を設け、OEMにも応じながら、あられ、ラスクと様々な素材へのチョコレート含浸にも取り組んできた。
 野田社長は「特にぼうろは油分をもたないので含浸によく合う」と話す。そこで、自社のぼうろに各種チョコを染み込ませた商品を開発し、約1年前に京都タワーにショップを持ったところだった。

 「当社は製造卸なので、今まで一般消費者と触れ合う機会がなかった。ここで1年間お店を運営してきて、社員がお客様に触れ、ニーズを知り、今回のリニューアルのコンセプトが固まっていった」と話す。
 そばぼうろは、昔のお菓子とみなされがち。今の時代にあった新しいものにひっくりかえしてみたかった。それは、ブランドロゴにも表れている。「つろく」という古い言葉を使いながら、それをアルファベット表記にし、さらに新鋭書家の川尾朋子氏に筆で書いてもらったという。

 パッケージでは伝統の梅鉢をかわいくあしらった手提げ箱も用意。贈答用では、真っ白な化粧箱を開けると各色の個包装が花が咲くように現れる。

 店頭には従来の「そばぼうろ」も置いた。「伝統のお菓子から生まれていることをわかりやすく示した。同時に、この新しいお菓子から、若い人に伝統のそばぼうろの美味しさに気づいてほしいとの思いもある」とのこと。

▽Tsuroku4種アソート8枚入800円(税込)、16枚1620円、32枚3240円▽Tsuroku「小箱こつぶ」12枚入り600円
同社ネットショップでも販売。