京都 二条駅前に、関西最大級の駄菓子売り場
2025/08/12
丸正高木商店(髙木良典社長)は6月20日(金)、中京区二条駅前の「BiVi二条」リニューアルに際し、同施設2階に関西最大級の駄菓子売り場「昭和レトロ横丁 駄菓子ワールド」をオープンした。
BiVi二条は大幅な改装を行い、1階はカフェや飲食店、大垣書店などが入居。2階は「駄菓子ワールド」など特徴あるショップが入る。
6月18日のプレオープンで、同施設の大東竜児支配人は「地域の方から、海外旅行者まで視野に入れたテナント構成とした」と話した。
昭和を体感できるテーマパーク
「昭和レトロ横丁 駄菓子ワールド」は1階からエスカレーターを登った正面の好立地にあり、向かって右には雑貨・おもちゃ、左は広く駄菓子売場が続き、120坪の広さに2000商品を取り揃えた。テーマを「笑顔・楽しく・ワクワク」とし、単に駄菓子を売るだけではなく、昭和の雰囲気を体感できるテーマパークを目指した。
ブリキや琺瑯の看板が下げられ、タイムスリップしたような街並みの中、全国各地の駄菓子、なつかしのおもちゃ、昭和の文化を体感できるコンテンツを配した。BGMには昭和歌謡や当時のアニメソングがかかり、照明はお祭りのような提灯でワクワク感を演出している。
最初に目に入るのは、小型3輪トラック「ダイハツ ミゼット」。
60年代小規模事業者に愛用されたもので、髙木誠治会長も「昔乗っていた」と懐かしそうに話す。また、古い自転車は、昔運搬車として使用していたものと同じとのことで「休みにこの自転車で琵琶湖を一周したこともある」と思い出を語る。
髙木会長は「駄菓子は文化であると京都市にも伝え、賛同を得て、文化ゾーンの一角に入居することができた。東京のお台場などで駄菓子店「ハイカラ横丁」を展開する㈲エハラにも協力を得て、店舗のコンセプトを固めていった」と話す。
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世代を超えた交流の場
昭和の文化は、50代以上にとっては懐かしいものである一方、昭和100年の今年、若い世代にとっては新鮮なものとして映る。昭和歌謡などは「エモい」ものとして人気で、昭和レトロはブームでもある。40代なら10円玉をもって駄菓子店に行った記憶もある。世代を超えた交流の場としても期待される。
注目の一角は、赤い公衆電話機を置いたタバコ屋の雰囲気を演出したコーナーで、窓から顔を出すと看板娘の気分を味わえ、フォトスポットとなる。初めてダイヤル式の電話機を触った子どもに、親が説明する姿も見られた。
吉永小百合から始まり、沢田研二、松田聖子等の昔のスターのブロマイド写真も販売し、様々なコミュニケーションが生まれる仕掛けがある。
駄菓子では、昔ながらの梅ジャム、キャベツ太郎、うまい棒やさくらんぼ餅、ラムネなど、昭和を象徴する商品が勢揃い。また、1棚をギンビスの食べっ子どうぶつシリーズで取り揃えたりなど、楽しい演出は随所にある。生八ッ橋などの観光土産も置いた。
観光旅行者、修学旅行生、さらに、日本独自の駄菓子文化は海外旅行者にとっても新鮮な体験となるだろう。
髙木会長は「この二条駅周辺には28の菓子問屋があり、40社の菓子メーカーがある、京都の菓子の集積地だった。この地で昔の雰囲気を再現したかった」と思いを語る。
レトロな掲示板には、近隣の京都三条会商店街の昔の写真を飾り、その中には同店のかつての店舗写真のほか、同業者の先代らと一緒に撮影した写真などを展示した。
小規模の駄菓子メーカーの廃業は続いている。駄菓子文化を存続させていくため、その良さを体感できる同店に注目だ。