㈱菓業食品新聞社

お菓子の業界紙

大丸心斎橋店×ロスゼロ コラボイベント初開催

   

 食品ロス削減通販サイト『ロスゼロ』を運営する㈱ビューティフルスマイル(文美月社長、大阪市西区)は、大丸心斎橋店(大阪市中央区)の地下一階イベントスペースで10月14日(水)から27日(火)まで、コロナ禍で販路を失ったスイーツを中心とした余剰食品を積極的に販売するSDGsイベントを開催した。

 同社は大阪府「おおさか食品ロス削減推進パートナー」認定企業。
 2018年4月より、製造や流通段階で行き場を失った余剰・規格外の食品を消費者に直接つなぐ食品ロス削減通販サイト「ロスゼロ」を運営している。収益の一部を大阪の子ども食堂や福祉施設に寄贈したり、2020年5月には医療物資を病院に寄贈した。実店舗での販売は、今回が初めて。

 日本の食品ロスは約612万トン(平成29年)。昨年10月、食品ロス削減推進法が施行され、10月が「食品ロス削減月間」、10月30日が「食品ロス削減の日」と制定された。
 ㈱大丸松坂屋百貨店では「持続可能な社会の実現」に向け、環境に配慮した店作りを推進しており、昨年9月に建て替えを行った大丸心斎橋店はESG推進のフラッグシップ店舗としてグランドオープンした。
ロスゼロとのコラボに関し、コロナ禍以前より計画中だったが、感染拡大による自粛で延期となり「食品ロス削減月間」である10月の開催となった。大手百貨店と食品ロス削減をミッションとするベンチャー企業との協働は初めてのこと。両社は持続可能な社会実現に向けて日本に社会、環境に配慮したエシカル消費を根付かせ、新マーケットを創造していく。これにより、消費者にとっては美味しく食べきることが社会貢献につながることとなる。

 初日から、新型コロナ感染拡大防止対策の下、買い物客で賑わった。「減らそう食品ロスおトクで美味しい社会貢献」という分かりやすいタイトルが掲げられた。菓子を主とした商品15 種類近くが並び、随時、商品が入れ替わっていく。単価は税込表記で、500円から3千円を超えるものまで、多岐にわたった。

 各々に、説明書きと賞味期限もしっかりと表示されていた。「デパート、高級スーパーの休業で卸先減少のため」、「手土産需要激減のため」、「夏季限定商品のため」、「観光客減少のため」、「わずかなヒビ、ずれによる規格外及び製造ライン余り」、「パッケージ変更によるロス」など。

 販売スタッフに質問したり、説明書きをよく読んで納得した上で購入していく人が多かった。賞味期限が近い見切り品などのセールとはイメージが異なり、エシカル消費に関心の高い人が多いことが窺えた。同イベントはテレビ局数社でも取り上げられ、前半1週間の売上点数が1万点を超えた。