㈱菓業食品新聞社

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マールブランシュ「ロマンの森」オープン

      2020/11/02

 京都北山マールブランシュを運営する㈱ロマンライフ(河内誠社長)は、10月2日(金)、京都市山科区に大型ショップと工房、本社オフィスを複合した施設「ロマンの森」を誕生させた。

 「ロマンの森」は、国道1号線に面した地に敷地面積2443㎡、延床面積2248㎡の広さをもつ。1階が店舗・カフェと工房、2階がオフィスとなっている。

ロマンの森で『素敵な日常』を!

 周囲は木々で囲まれ、中に入ると広々とした空間が現出し、正面に大きなショーケースが迎える。奥がガラス張りの工房で、パティシエらがケーキなどを作っているのが見える。左手が焼菓子やギフト等の販売コーナー、右手がセルフスタイルのカフェ(店内68席、テラス18席)になっており、絵本棚もある。マスコットの森の妖精「ロマンくん」のイラストが各所にあり、親しみやすい。
 施設のコンセプト「ロマンの森で『素敵な日常』を!」のとおり、ゆったりと過ごせる開放的な空間となっている。






オリジナルグッズも充実

 工房では、多くのパティシエが従事し、出来たてをそのまま、ショーケースに運び販売する。また、マールブランシュ各店のケーキや、加加阿365祇園店のチョコもここで製造されている。

 2階のオフィスはオープンで仕切りがなく、社長室もない。真ん中に給湯設備のあるバーがあり、試作品などもそこで食べることができる。また、休憩所の奥には保育所を設け、子どもと一緒に出勤し帰れる体制を作るなど、随所に働きやすい環境を整えた。
 会社を大きな家族と考える同社の理念が表れている。

かずかずの新商品、新店限定商品

 マールブランシュでは、ロマンの森完成に合わせ、多くのケーキをリニューアルしたほか、新商品、新店限定商品も数多く発売した。

「パティシエの焼き立てクロワッサン」

 注目の一つは「パティシエの焼き立てクロワッサン」(税別200~350円)。外はカリッと中は柔らかい焼き加減で、朝昼夕と時間帯で焼き分け各種取り揃える。モンブランクリームとバターがたっぷり入ったものは、スイーツとして楽しめる濃厚な味となっている。

「ロマンくんのタルト」

「ロマンくんのタルト」は、3層クリームを重ねたホールのタルト。季節のフルーツをのせてアレンジして楽しむこともできる(1200円)。
「マール・ザ・チーズケーキ」は、バスクチーズケーキのように濃厚でしっとりとしている(400円)。
「マールの生クリームプリン」は、北海道根釧台地の脂肪分の高い生乳を使用し、なめらかでミルク感のある味に仕上げた(230円)。
「ロマンくんのバターカステラ」は卵たっぷりの生地をごく低温でしっとりと焼き上げている(741円)。
 江﨑靖彦エグゼクティブシェフは「ロマンの森に合わせて開発した新商品では、シンプルで見て分かりやすく、味が想像しやすいものを目指した」という。

地元のオアシス。憩いの場

 河内社長は、ロマンの森の特徴について「創業の原点に戻り、地元の方のオアシス、憩いの場を目指した。朝来て食べていただけるものとして、クロワッサンを考えた」と話す。
 地元の日常ということは価格にも表れている。もちろん、北山本店などでも販売する500円以上の価格帯のケーキもあるが、同店限定のものでは日常のおやつとなるよう価格を抑えている。
「地元の方に毎日来ていただけるよう比較的リーゾナブルでありながら、美味しいものを提供したい。フェイスtoフェイスで出来たてを提供するなど専門店ならではの強みで、コンビニなどにはないお菓子の良さを提案したい」と語る。

 また、創業者の河内誠一会長は「ここは今までの集大成であり、新たなスタートだ」と語る。
 ロマンの森で新たな方向性を示したマールブランシュの今後が楽しみだ。