㈱菓業食品新聞社

お菓子の業界紙

京菓子協同組合青年部「京のまつり」

      2020/08/12

左:吉田篤史部長、右:森田祥司副部長

 京菓子協同組合青年部(吉田篤史部長)は、部員12店の菓子を詰め合わせたセット「京のまつり」を7月22日(水)より、ジェイアール京都伊勢丹オンラインショップで販売している。

 セットには京都の三大祭に想を得た、「葵」「祇園」「時代」の3種類あり、それぞれ4店の菓子が入る。オリジナルの化粧箱に入り、税別2400円。

 7月21日(火)には、下京区の京都経済センター内経済記者クラブで吉田部長と森田祥司副部長が会見を行った。
 吉田部長は「通常は講習会や菓子教室などの事業を行っているが、コロナ禍で人が集まることが出来ない。菓子の詰め合わせセットを販売できないかと考えたところ、ジェイアール京都伊勢丹さんから是非ともと言っていただいた。三大祭が従来どおり行われないのは、菓子屋としても、京都人としても残念。せめて、お菓子で味わってほしいとの気持ちでセットを作った」と話す。

 各店の場所を記した地図と代表銘菓の紹介、挨拶文を同封する。「来年以降祭りが無事行われること、その際各店を訪れていただくことを願っている」と書かれている。

祇園

時代

 商品は比較的日持ちのする菓子で構成され、各店の代表銘菓や新商品が入る。田丸弥は代表銘菓「白川路」のほか、ピーナッツ入りの「貴船菊」。亀屋則克はグラニュー糖使用の同店独自の押し菓子や干琥珀などを詰め合わせ「いろどり」、甘春堂の「夏の庭」は餡の金魚に琥珀糖にはワインが入っているという。

 青年部で詰め合わせの商品を作るのは初めての試み。
 京菓子各店では、コロナ禍の影響は大きい。観光客がいない、手土産品需要がない、お茶会がない、百貨店等の京都展がないなど、販売機会を失っている。ウェブショップの売上が増えているが、サイトをもっていない店もある。そんな中、加盟各店にとって新しい販売機会を作る試みとなった。消費者にとっても京都に行かねば手に入らない商品も手に入り魅力的だ。

 ジェイアール京都伊勢丹担当バイヤーの佐伯博宣氏は「当店でもネットの打ち出しを強化している。従来店舗の補完的なものだったが、今回のようにオンライン限定ものも用意。この商品でお客様に京都の風情を思い起こしていただけたらと思う」と話す。

▽葵=鎰良光「加茂松風」、亀屋重久「干菓子」、田丸弥「白川路、貴船菊」、御倉屋「旅奴」
▽祇園=かぎ甚「大文字」、かま八老舗「ラムネのおちょぼ」、甘春堂「夏の庭」、祇園鳴海屋「六方焼き」
▽時代=亀屋則克「いろどり」、千本玉壽軒「すてぃっくぼうろ」、平安殿「粟田焼」、ぼうだい「渋皮栗甘納豆」