㈱菓業食品新聞社

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叶 匠壽庵 梅酒の銘菓「標野(しめの)」リニューアル

   

 叶 匠壽庵は、46年続く梅酒の銘菓「標野」をリニューアルする。

 「標野」は、素材である梅の栽培から梅酒の漬け込み、お菓子にするまでを自社内で行っている。そこに果皮も果肉も赤い希少品種「露茜(つゆあかね)」を新しく加え、万葉集の恋歌に詠まれた近江の情景を表現している。6月1日より、全店で販売する。

 職人でもある3代目社長の芝田社長が、果皮も果肉も赤い希少な新品種「露茜」に辿り着き、創業者・芝田清次氏が生み出した標野の背景や歴史を大切にしながらも、露茜を生かした新しい色と形、味わいを開発した。

 本社工場「寿長生の郷(すないのさと)」で大切に育てた「城州白(じょうしゅうはく)」を1年熟成させた梅酒に、露茜の赤い梅酒を加えることで、額田王(ぬかたのおおきみ)の「あかねさす」恋歌に詠まれた近江の情景を、美しい色の階調で表現が可能となった。

 6年もの開発期間を要し、配合や漬け込み期間を調整、理想とする形状のために新技術「液体での深絞り充填」も取り入れ、改良を重ねている。
 甘さは抑え、梅の風味はより濃く感じられるすっきりとした「大人の梅酒ゼリー」に生まれ変わった。

「露茜」は、スモモと梅の交雑で2008年に創り出された品種。
 果皮も果肉も赤く着色し、アントシアニン色素は一般的な梅の約60倍含まれている。産地の和歌山県でも10㌧ほどの収穫量で、同社でも露茜の栽培を始めている。

「標野(しめの)」