㈱菓業食品新聞社

お菓子の業界紙

京都駅中央口「おみやげ小路 京小町北館」リニューアル

   

KYO-AME tonimaru とにまる

 京都駅観光デパート(江本出夫社長)は、3月19日(火)、JR京都駅1階中央改札前の「おみやげ小路 京小町北館」をリニューアルオープンした。

 店舗を東側に広げ、JR京都駅側に3つ、広場側に2つの出入り口を設け、回遊性を高めた。従来どおり京都銘菓の販売を中心とするが、各店が販売員を置いた対面販売のショップを増やし、南館から移動した漬物売場のほか、新しく雑貨売場を設けた。
 鶴屋吉信、俵屋吉富、鼓月の各店舗は、2階西口前の「亰」へ移動している。京都駅の土産売場再編は、今回の北館リニューアルでひととおり完成をみた。

菓子巡り
3~10日ごとに新しい京都の菓子店が対面販売

 北館改装の特徴の一つは、2カ所に期間限定のプロモーションコーナー「菓子めぐり」を設置したこと。3~10日ごとに新味のある京都の菓子店が対面販売を行う。一カ所は冷蔵の販売ケースを設置し、冷蔵ものにも対応する。
 オープニング時は、岩井製菓が展開するKYO-AME tonimaru とにまると伊藤久右衛門が出店。

 とにまるは京飴を使った大きなわたあめを実演販売した。また、新商品として2色のわたあめが透明のカップに入る「わたあめカップ」を用意。色にこだわったとにまるブランドの美しい京飴を多数並べていた。

とにまる「わたあめカップ」

 伊藤久右衛門は、ラングドシャなど宇治茶スイーツを展開。冷蔵ケースでは洋風抹茶餡の入った「宇治抹茶だいふく」と数量限定の「さくら抹茶だいふく」を販売した。

伊藤久右衛門「宇治抹茶だいふく」

 3月29日~4月4日には、平和製菓が「京ぼうろ」と新商品「京染めラスク」を販売した。

平和製菓

 「京ぼうろ」は同社伝統のぼうろと最新技術の融合による新感覚スイーツ。昨年竣工した本社隣接の新工場で、チョコの含浸技術を用いて製造している。チョコ含浸は、ぼうろとの相性がよく、素材の食感が残るなどメリットが多い。スイートチョコ、宇治抹茶、カフェオレ、いちごの各フレーバーを用意。

 新商品「京染めラスク」は、食べやすい小ぶりのラスクに、抹茶チョコなどを含浸させ、サクサク食感を実現させたもの。
「抹茶については、吟味を重ねたオリジナルの宇治抹茶チョコを使用している。試食したお客様の反応がよく、海外の方にもたくさん買っていただいた」とのこと。

平和製菓「京染めラスク」

 もう一つのコーナでは、幸福堂が出店。銘菓「ごじょうぎぼし最中」や季節感あふれる上生菓子、香りただよういちご大福を販売した。

幸福堂「いちご大福」

 菓子巡りコーナーを担当する同社営業部の田中大氏は、
「京都駅の土産売場に新しい風を入れたいと思い設置した。京都の新ブランドや、意欲的に頑張っておられる京都の菓子店を積極的に紹介していきたい」と抱負を語る。

対面販売で京都銘菓を紹介

 京都鶴屋鶴寿庵は宇治抹茶をたっぷり使用し、しっとりとした「京ちゃふれ」やその小型の限定商品「京ちゃふれ『ここ』」をアピール。鶏卵素麺など銘菓も販売。

京都鶴屋鶴寿庵「京ちゃふれ」

 三昇堂小倉は、南館にあった生麩餅の販売コーナーを移動し、冷蔵ケースでよもぎ、桜、抹茶など各種フレーバーを販売。
 また、常温商材では各種「わらび餅」をアピールしていた。

三昇堂小倉「生麩餅」

 鶴屋長生は、新商品の「京のわっかさん」を売り出した。輪の形の最中種に、クッキー地が入り、上にあられなどがちらしてある4種をセットにした。舞妓さんをあしらった美しいパッケージに入る。同店銘菓「利休心」や上生菓子も販売する。

鶴屋長生「京のわっかさん」

 豆富本舗は、限定商品として代表銘菓「小町五色豆」とミックスナッツまたは「京の豆」をセットにした「京のまめ語り」を同店限定販売した。商品の謂れなども分かる楽しいパッケージの「豆本」シリーズもプッシュしていた。

豆富本舗「豆本」

 五建外良屋は、食べ歩きもできる串に刺した「ういろ」も販売。三色のういろが刺してある「花見ういろ」も楽しい。また、各種生菓子も用意。

五建外良屋「花見ういろ」

 聖護院八ッ橋総本店は、生地を桜型に抜き、あんこがのぞく美しい生八ッ橋「聖護院さくら」を北館限定商品として販売。また、生八ッ橋「聖」では「苺ショコラ」が新発売となった。

聖護院八ッ橋総本店「聖護院さくら」

 井筒八ッ橋本舗は、小倉大納言を使った「おぐら餡」と桜葉入りの「桜あん」2種の生八ッ橋・夕子のセットをオープンにあわせ数量限定で販売した。

井筒八ッ橋本舗「おぐら餡」「桜あん」 セット

 本家西尾八ッ橋は、伝統意匠が施された4種の「京小箱」を用意。5個入り生八ッ橋「あんなま」がちょうど入り、自由に組み合わせることができる。

本家西尾八ッ橋「京小箱」

 美十の展開するおたべは、辻利ブランドの「宇治抹茶ばうむ」や、おたべ「抹茶チョコあん」を限定販売。宇治抹茶を使用した「京都ブラックサンダー」や定番の「京ばあむ」など抹茶商材が充実。

辻利「宇治抹茶ばうむ」

 髙野屋貞広は、「はんなり、はんなま。」と題して、一口半生菓子を多数展示し、15個を自由にチョイスして詰められるコーナーを設置した。「ここは人通りも多く、時間のないお客様も多いのだが、当店に特徴的なこの売り方を維持し、選んで買う楽しさを提案していきたい」と話す。

髙野屋貞広 京の半生菓子

 若菜屋では、銘菓「栗阿彌」のほか、北館限定商品として、栗まんじゅう「栗豊楽」と「京のお干菓子」を用意。和三盆の干菓子は外国人観光客などによく売れているという。

若菜屋「京のお干菓子」

 京西陣菓匠 宗禅は、缶入りの「京からん」シリーズなど各種あられ、人気の冷凍「串わらび」の両方を展開していた。中にみたらしなどの蜜の入った「蜜わらび」シリーズもある。

宗禅「串わらび」

京名菓コーナー

 京都を代表する老舗約30軒の京菓子を取り揃える「京名菓」コーナー。
 アイテム数を絞り一店につき、2~3品をディスプレイし、見やすくレイアウトした。

 例えば、亀屋良永では、「御池煎餅」と「無門」、三條若狭屋では「祇園ちご餅」と「くるみいた」など、代表銘菓ともう一品、準代表銘菓や新商品を並べているケースが多かった。

亀屋良永「御池煎餅」「無門」

三條若狭屋「祇園ちご餅」「くるみいた」

 また、「特選 京の逸品」コーナーでは、13店からのよりすぐりの商品がそれぞれ週1~2回並ぶ。一乗寺中谷の「白味噌と木の実のケーキ」、百万遍かぎやの「わらび餅」など。

 人気の続く満月「阿闍梨餅」の販売コーナーも設置している。