㈱菓業食品新聞社

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京都 南座 新開場

   

 東山区の京都四條 南座(松竹㈱)が、3年弱にわたる耐震・改修工事を終え、11月1日(木)にリニューアルオープンし、同日、吉例顔見世興行が始まった。南座は歌舞伎発祥の地に建つ日本最古の歴史をもつ劇場で、現在の建物は昭和4年竣工。国の登録有形文化財に指定されている。改修では耐震補強を加えたほか、観覧席や劇場設備を一新した。

 また、井筒八ッ橋本舗の2つの売店がリニューアルしたほか、2階の料亭がなだ万茶寮に代わり、新しく1階にとらやの喫茶と物販の複合店が入った。

とらや 京都四條南座店

 とらや 京都四條南座店は、四条御幸町にあった四条店に代わる形でオープンし、約30席の喫茶と物販スペースをもつ。店内はレトロモダンな内装で、観劇の待合にも相応しい。

 喫茶メニューには、同店限定としてきな粉をベースにしたあんこが入る「きな粉あんみつ」を用意。吉野本葛とあずき茶を使用した「葛あずき羹」とのセットもある。

「きな粉あんみつ」

 また、季節の生菓子と飲み物のセットも用意し、抹茶や煎茶のほか、京都の店では初めてとなる珈琲も提供する。
 店内には羊羹や最中、焼菓子などを一個から買い求められる販売スペースを併設。限定商品としては、虎の隈取を描いた限定パッケージ入りの小形羊羹「夜の梅」(隈取監修:松竹㈱)と、虎の焼印をいれた「利休饅」を用意。こちらはロビーに設けた売場でも販売し、南座みやげとしても人気商品となっている。

小形羊羹「夜の梅」限定パッケージ

 なお、同店は大和大路側にも入り口を設けており、観劇者以外も気楽に立ち寄れる。
 「歌舞伎ととらやは、同じく室町時代に京都で生まれた。また、南座ととらやは、伝統を重んじながら『今』を大切にしていくという思いで一致している」とのこと。劇場内店舗は初めてというとらや、どんな店に育てていくか注目される。

井筒八ッ橋本舗

 井筒八ッ橋本舗では、引き続き2つの売店を持ち、1階では南座みやげや京みやげやドリンク、2階では歌舞伎グッズなどを中心に販売する。

 井筒八ッ橋の商品としては、「歌舞伎銘菓 夕霧」「南座 三笠」「むかし生八ッ橋」など、特別感あるものを販売する。南座おやつとして、劇場外観をあしらったパッケージに入る「花ほうてん」や「ミックス豆」も定番として人気だ。

南座おやつ

 リニューアルを記念して、新しい南座公式キャラクターをプリントした八ッ橋を販売。

「みなみーな」八ッ橋

 また、「歌舞伎銘菓 夕霧」のニッキと水尾の柚子が一個ずつ入ったセットも作った。そのほか、祇園辻利「南座新開場記念 抹茶・ほうじ茶フィナンシェ」など多くの記念商品が並んだ。

 また以前から人気の限定商品に「八ッ橋サンド」がある。生八つ橋生地や砕いた八ッ橋に生クリームが入っているサンドイッチ。
 興行ごとに、例えば、坂東玉三郎企画に際して「美の世界展パフェ」、尾上松也出演の際は「松ちゃんパフェ」など提供してきた。「今後もお客様に喜んでいただける限定商品を提案していきたい」とのこと。