平和製菓、チョコ含浸の新工場
そばぼうろ製造の平和製菓㈱(野田英彦社長、京都市伏見区)では、本社工場に隣接して新工場を竣工し、7月30日(月)より操業を開始した。
新工場では、宇治工場より移設したチョコレート含浸工程を行う。1階に含浸工場、2階に事務室、開発室、包装室を置いた。
チョコレート含浸とは、素材の中までチョコをしみこませること。
ぼうろとの相性の良いことから、開発を進め、関西に含浸工程を請け負える工場がないこともあり、OEM需要もあると考え、2年ほど前に宇治に工場を建てた。
設備の中心を担うのは、含浸タンク。真空状態で素材の中に溶かしたチョコをしみこませ、さらに加圧し、最後に遠心分離により、余分なチョコを飛ばす。この加圧や遠心分離の加減により、含浸率を調整することができる。
この間、ぼうろの他、おかき、かりんとう、ラスク、サブレ、クッキー、フリーズドライのフルーツや野菜など様々な素材に対応してきた。
チョコ含浸はコーティングに比べ、素材の食感が残る、夏場に強いなどの利点がある。要望があった素材について含浸の可能性を追求し、より軽く仕上げる方法等の研究もしてきた。また、抹茶はもちろん、ラム酒風味やフルーツ系など様々なオリジナルのホワイトチョコも開発している。
「京ぼうろ しょこら」
このほど、満を持して自社ブランドとして「京ぼうろ しょこら」を商品化した。
おみやげ商品として京都を意識し、伝統の梅鉢形に、抹茶とニッキの2種のフレーバーを用意。軽い食感に仕上がっており、伝統と新技術のハイブリット菓子としても注目をあつめている。
今までの販路とは違うので、苦労もあるが、お土産店や旅館などで取り扱いが増えてきている。また、贈答用として、スイートチョコ、カフェ・オレ、いちご、抹茶の4つのフレーバーのセットも新発売する。
自社ブランドの商品を増やしていきたいとのことで、今後の展開が楽しみだ。