㈱菓業食品新聞社

お菓子の業界紙

カルビー 120社の菓子揃え、新コンセプト店

   


 カルビー㈱(伊藤秀二社長)は、10月28日(土)東京都新宿区のルミネエスト新宿地下1階に、菓子メーカーの垣根を越えた新コンセプトショップ「Yesterday’s tomorrow」をオープンした。
 JR新宿駅の中央東口を出てすぐの好立地に、NB商品や地方流通菓子、約120社800アイテムを集結させた上、様々な仕掛けを凝らし、お菓子の楽しさを演出している。売場面積は54坪。
 かつてJR東日本で数々の駅ナカ事業を立ち上げた実績を持つ、鎌田由美子上級執行役員(同社事業開発本部長)が中心となり立ち上げ、アートディレクターには、デザイナー佐藤卓氏を起用した。

鎌田由美子氏

鎌田本部長は同店のコンセプトについて、
「菓子のロングセラーでさえ、久しく食べていない商品がある。激しい価格競争の中で、買う場所が減っているのではないか。価格競争ではない、お菓子を楽しめる場所を作りたいとの思いが一番だ。また、インバウンドのお客様に日本のおいしくて、デザインも素敵な菓子をお土産として紹介すること、そして、地方菓子との接点の場を作ること。単なる売場ではなく、『選ぶ』『作る』『贈る』『発信』『共感』をコンセプトに、お客様が参加できる場を提案していきたい」と話した。

 他社の商品を売ることへのメーカーとしての意義を問われ、「今後のカルビーの3本柱として、スナック、朝食革命、BtoCを掲げている。BtoCについて、カルビープラスなどで、メーカーだからこそできる小売りがあることを実感した。カルビーだけで楽しいのなら、他のメーカーが加わったらもっと面白くなるのではないかと考えた。今回はトライするところから始めている」と話す。

また、松本晃会長兼CEOは「メーカーとして今まで生産者視点でやってきた。消費者視点を獲得していかなくてはいけない。ここはそのよい訓練になると思う。長い間、菓子市場は大きくなっていない。パイの取り合いではなく、まずは、みんなで市場を大きくしていきたい」と語る。

ぐるぐる

 店内は、棚やテーブル、籠、箱を使い、雑貨店のように菓子をおしゃれにレイアウトしている。
 「ぐるぐる」のコーナーでは、個包装菓子200種を、自由に交ぜて重さで買える。包装機も用意され、それらを顧客自身でオリジナルのピロー袋に詰め合わせできる。
 自分で好きなお菓子を詰められるアドベントカレンダーや、店内の商品でお菓子の家が作れるレシピや詰め合わせセットなどもあり、「選ぶ」楽しさに加え、「作る」楽しさ、「贈る」喜びにも対応する。
 「地方菓子」には、ポップをつけて説明し、日本の菓子の多彩さをアピール。また、地方出身者が集まる東京で、地元の菓子に出会える喜びも提供する。

お菓子の家


地方菓子

 「出来たてキッチン」では、数カ月交代で、様々なメーカー直営のお菓子が提供される予定でイートインスペースを併設している。2月14日まで、ギンビスと森永乳業が登場している。

「大きなたべっ子どうぶつ」

 ギンビスからは、焼きたての「大きなたべっ子どうぶつ」。バター香るかわいらしいビスケットが、手のひら大の大きさで提供される。「たべっ子どうぶつの大きいものを食べて見たかった」というカルビーのスタッフの思いが実現したもの。こうもり、うし、いぬ、らいおん、おしどりの5種類。1枚210円。
 森永乳業からは、「MOW」「ピノ」ブランドの特別メニューが登場。

 同店では、商品は定価で販売し、仕入れ体制を独自に構築した。
「800アイテムからのスタートだが、お客様の声を聞きながら、増やしていきたい。多店舗展開も考えている」とのこと。