㈱菓業食品新聞社

お菓子の業界紙

米菓匠 紫芳軒 「おかきとWaカフェ」

   

 米菓製造・卸の橘屋物産㈱(稲田力店主)が運営する、「米菓匠 紫芳軒」が7月13日(火)、北区大宮南椿町に移転オープンした。店内には新しく「おかきとWaカフェ」を設け、その営業も16日より始まった。(*7月に取材したので、夏の季節商品の紹介も含まれています)

 新店は大宮通に面し、窓が多く明るいビルの1階。40坪に店舗、カフェ、工房、倉庫、事務所を集約した。
 ショップでは、入って正面に「夏おかき」として、「長崎五島の塩」「黒こしょうおかき」「レモン塩おかき」などをプッシュた。そのほか、「炭火手焼 無味」などこだわりのおかきや定番のおかきを並べ、日々のおやつからギフトまで対応するラインナップとなっている。

 左手はカフェとなっており、ゆったりとした空間に2人掛けのテーブル2脚、6人がけの大きなテーブルも用意している。
 メニューは、「おかきお茶のセット」400円(税込)や「しょうゆだんごとお茶のセット」430円などがある。
 団子のしょうゆには、古式製法を守る滋賀県の丸中醤油を用いている。
 稲田店主は「これは当店のおかきでも使用してる一年仕込みの美味しい醤油。団子でも当店のおかきにつながるものにしたかった」と話す。

 そのほか、たとえば塩は甘みのある「長崎県五島列島の粗塩」や、レモンには、香川県の瀬戸内レモンなど、よりすぐったものを使用している。
 週2回はここで炭火の手焼きでおかきを焼き、出来たてを食べてもらうことを考えているとのことで、おかきの良さを伝えていく。

 同社は昭和21年に四条河原町で菓子小売販売からスタートしている。
 その後、取り扱いが米菓中心となり、自家製造も開始。平成8年北区の玄琢下に移転後、炭火手焼のおかきの製造も復活させ、「紫芳軒」ブランドを開始した。
 今回の移転の経緯を伺うと「以前の店舗が手狭になっていたこと、そしてこのようなカフェを以前からしたかったところ、コロナ禍が背中を押した。小売りを軸に米菓で人とひとのつながりを大切にした商売をしようと考えた」と話す。

 今回の移転に際してはクラウドファンディングも活用した。「地元の顧客からの声援がありがたかった。前の店と500メートルの移動となったが、同じ北区で良い場所が見つかった」とのこと。

 「カフェでは、お茶のイベント、おかきを使った料理教室、新商品の試食会など企画したい。地域の皆様にはワークショップ等で使っていただきたい。ライン会員も増やし、細やかな情報発信をしていく。地域とのコネクションを大切にしていきたい」と語る。