㈱菓業食品新聞社

お菓子の業界紙

京都こまめはん新京極店

      2021/05/01

 豆菓子製造の豆富本舗(冨永泰憲社長)は、中京区に4月20日(火)、「京都こまめはん新京極店」をオープンした。店舗は25㎡の広さで、曲線を多用した個性的な空間となっている。

京都こまめはん新京極店

 新ブランド「京都こまめはん」では、伝統の豆菓子を京都から、かわいいに載せて世界に発信していきたいとしている。

「こまめはん(小箱)」

 商品の中心に据えるのは、かわいらしい舞妓さんがビビッドな色に映える、小ぶりな紙製のスタンドパック「こまめはん(小箱)」。「わさびピスタチオ」「カシュー醤油」「グリーンピスタチオ」「カシューナゲット」「梅ピーナッツ」の5種を用意した。

 新ブランドをプロデュースしたのは、冨永取締役企画室長。
 冨永氏は社長の子息だが、アパレル関係の仕事もしている。今回の出店の経緯を伺うと、まず、同社が開発していた「こまめはん(小箱)」のデザインや商品コンセプトを素晴らしいと思ったことを挙げた。そして、海外に行けずアパレル関係の仕事ができないこと、京都駅などでの販売機会を失ったこと、新京極の良い場所が空いたこと、とコロナ禍の影響を3点挙げた。そして、デザイン担当した小山唯香氏と店舗を構想していった。

 小山氏は「かわいい」を老若男女が「きゅんとする感じ」とし、「京都でそれを代表するのが舞妓さんだと思う」と話す。イメージモデルに祗園多麻の「豆衣さん」を起用し、写真を撮影のときは、すました感じでなく、スキップしてもらったりと楽しく行ったという。

 内装は、豆をイメージし、陳列台もレジもカーブし、天井も角がなく、柔らかく優しい空間になっている。STUDIO JUGGERNAUTの飯塚哲平氏が仕上げた。
 スタッフの衣装も、冨永氏のアパレル事務所がデザインした。和洋の要素を取り入れ、かわいらしく洗練されたものになっている。

商品を説明する小山氏

 商品ではスタンドパックに丸く透明の窓をつけ、豆菓子のほか、金平糖やゼリー菓子などの商品が見えるシリーズも作った。同じパッケージで商品の入れ替えが容易になっている。
 また、「こまめはん」5種がテトラパックになった詰め合わせセットも用意。

 冨永氏が心がけることは、働きやすい環境を作ること。「販売員も座って作業できるようにし、労働時間も、週4~5日で6時間としたい」と話す。

 デザインのプロが集って作った楽しい店になっており、現在、京都の菓子業界はコロナ禍で厳しい状況だが、新しいことを始める機会ともなっていると感じさせた。