㈱菓業食品新聞社

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青木松風庵「月化粧ファクトリー」オープン

   

「月化粧ファクトリー」

 ㈱青木松風庵(青木一郎社長、本社=大阪府阪南市)は、7月15日(水)大阪府阪南市に店舗、カフェレストラン、お菓子の工場、配送センターが一体となった「月化粧ファクトリー」をオープンした。

大阪府を代表する観光の柱に

 人気商品「月化粧」の製造工程見学コース(無料)、菓祖神社やお菓子教室エリアほか、美味しいスイーツを存分に楽しむことができる。
 オープンに先駆け、10日(金)に竣工式とプレス発表会、11日から13日の3日間、内覧会を開催し、新型コロナ感染防止対策徹底の下、多くの関係者が来場した。

青木一郎社長

 プレス発表会には、阪南市の水野謙二市長、吉本興業の大平サブロー氏、㈱福寿園の福井正興社長らが登壇した。
 はじめに青木社長が新工場の特徴を解説、「従来のラインだけでは製造がまかなえなくなっていた。阪南市、大阪府を代表する観光の柱となりたい」と話した。

新築投資額28億円

 同ファクトリーの土地は、4年前に阪南市が「総合こども館」とするため、大手家電量販店から購入したもので、計画断念後、利用を公募したところ、同社が手をあげた。既存の岬工場、製餡工場に加え、「月化粧」をはじめとする商品の増産を進めていく。新工場では、「月化粧」に関し、2台のラインで1時間に7200個の製造が可能。
 新築にかかった費用は、約28億7900万円、同社の歴史で最大の投資額となった。

「月化粧」

「月化粧」発売から10年

 人気商品の「月化粧」は、「大阪土産を作りたい」という青木会長の長年の夢を叶えるべく開発された商品で、こだわり素材でしっとり食感のミルク饅頭。「大阪産(もん)名品」として認証されている。
 2010年の発売開始から5年後には年間売上個数が1000万個を突破、以降も順調に伸長し19年10月には1400万個を超えた。

 オープンの記念に、創業230年の歴史を持つ㈱福寿園の「伊右衛門」を使った「伊右衛門月化粧〈抹茶〉」を新発売。同商品は、当面は同店となんば店のみの限定で販売される。

青木松風庵の歴史

 同社は1984年、青木啓一会長が自宅と一体型で1号店を創業したところから始まった。
 青木会長の「美味しいお菓子を作りたい」という信念と、会長夫人・まゆみ副会長の「一期一会のおもてなしを」という想いを柱に成長を続け、現在は26店舗を展開、人気商品「月化粧」を駅や空港など約160カ所で販売している。

 また、2006年に奈良に創業した㈱天平庵は県内7店舗と東京2店舗を有し、17年には青木松風庵、天平庵の業務を一括して行う㈱青木ホールディングスを設立。19年、グループ全体の売上は48億8979万円。
 同社では従業員全てを「仲間」と呼ぶ。グループ全体の仲間は現在で518人、このうち428人が女性で、館内には託児所(20年12月スタート予定)も配備している。

菓子寄贈に感謝

 記者会見にて各氏の挨拶は次のとおり。

 大平サブロー氏
 青木会長とゴルフで前後のグループだったことが出会いのきっかけだった。私自身、子どものころからアンコが大好きで会長の作ったアンコは世界一美味しいと思う。

 水野謙二市長
 今や大阪で月化粧を知らない人はいないと思う。
 「夢を形に」という信念を貫き、企業理念を社内全員で受け継がれ、着実に業績を上げてこられた青木松風庵さんを心から讃えたい。阪南市は山と海がある町で、ちょうどいい田舎であり都会でもある。当工場は観光産業の大きな柱になるだろう。
 コロナ禍において、市内の医療機関へたくさんのお菓子を贈呈いただいたことにも感謝している。

 

オープン記念新商品 福寿園とコラボ


▽福寿園・福井社長
 弊社では他社とのコラボはめずらしいことだ。
 近年、国内でも急須でお茶を飲む人が減ってきていることから「宇治茶を世界へ」というコンセプトで関西空港にも出店し「食べるお茶」という切り口で、お茶の販売を手がけている。抹茶を菓子に使うのは、特に高級なものほど課題が多く何度も試作を重ねて商品化した。きっと大成功するに違いない。

工場見学ツアー

 記者会見の後、グループに分かれて工場見学ツアーを体験した。
 はじめに、シアターにて月化粧公式キャラクターの「つきろーくん」「みるもちゃん」が登場する楽しい8分間の映像を見た後、「月化粧」のライン見学通路へ進んだ。包餡に始まり、焼成から冷却、検品、包装に至るまでをガラス越しに見学できる。見学の後、焼き立ての月化粧をドリンクと共に味わうサービスがある。次に、菓祖神を祀る橘本神社より分社して設置された菓祖神社、菓子の歴史展示室、菓子の素材展示コーナーを経て、楽しい撮影用スポットを通り抜けた後、ショップで買い物を楽しむことができる。
 ショップ併設のフリードリンクコーナーの、平成10年の台風で倒された春日大社原生林の神木を特別加工したテーブルは圧巻で見どころのひとつでもある。

 「月化粧ファクトリー」概要
 所在地=阪南市黒田453番地15、南海本線尾崎駅より徒歩15分
 敷地面積8543㎡、2階建て延床面積7143㎡
 駐車場50台、大型バス専用4台
 営業時間=午前9時〜午後7時(工場見学・カフェ=午前10時〜午後5時)
 正月元日のみ休業
 工場見学=個人は予約なし、20人以上の団体は予約要

 なお、オープン初日は約2000人が来場した。大平サブロー、西川きよし、ラサール石井の各氏がお祝いにかけつけた。新製品「伊右衛門月テープカット化粧〈抹茶〉」も好調な売れ行きだった。

 青木社長は「売り上げに関し、新型コロナの影響で、4月の落ち込みが最大だったが、少しずつ回復し6月には直営店舗で90%まで回復できた。外販に関しても、人の往来が戻ってきているお陰で、少しずつ回復している」としている。