㈱菓業食品新聞社

お菓子の業界紙

京菓子協同組合青年部 京都駅で展示

   

工芸菓子

 京菓子協同組合青年部(木ノ下稔部長)は、創部55周年記念企画として、11月7日(木)~14日(木)、京都駅ビル2階のインフォメーション前で、「繋ぐ―京菓子と伝統と」と題して展示を行っている。主催は同部と㈱京都駅観光デパート。共催は京都漆器青年会と清水焼団地協同組合青年会。

 清水焼、京漆器とコラボ作品や、華麗な工芸菓子大作の展示のほか、京都駅観光デパート「のれんめぐり」の紹介など、京都の玄関口で、京菓子の世界を感じられる内容となった。

 コラボ展示では、各店がそれぞれ、陶磁器や漆器に合わせて、代表銘菓や創作菓子・工芸菓子などを配置し一体感のある作品にした。

 工芸菓子は、岩に乗る鷹と牡丹の意匠で目をひいた。牡丹は花びら一枚一枚を2色でぼかしており、8本ならんだ姿は華やかだ。
 木ノ下部長は「基本に立ち返って、すべて食べられる伝統的な菓子素材を使い、伝統的意匠を作ろうと思った。岩はカルメラ、接合には共生地を使った。制作にあたっては部員全員が参加した。工芸菓子を作る機会は年々減ってきており、力も落ちてきている。まずは、技術を高めるために試作からはじめ、また道具については、この4月に廃業された源水の井上氏のところに借りに行った。最後は、ほぼ毎晩集まって作業した。恥ずかしくない作品ができたと思う」と語る。
 また、テーマの「繋ぐ」について、「技術や伝統を親の代から継ぎ、次代に繋いでいくことや、とりまく様々な存在と繋がっていくことを意味している」と話す。

 京都駅観光デパートは、京都駅中央口前の「おみやげ小路 京小町」で展開している「京の和菓子のれんめぐり」の紹介コーナーを作った。それぞれ京の老舗の暖簾をあしらった袋にその店の銘菓などを入れ、組み合わせて買える商品。参加45店舗の位置を示す京都の案内地図も掲示した。

 京都駅観光デパートの富山奈保部長は、「お土産を売るだけではなく、京都を訪れた人と京都のもつ素晴らしいもののと接点、出会いの場を作ることもやっていきたい。今回、青年部さんとともに、京菓子の魅力を伝える場ができたことをうれしく思う」と語った。