京都駅2階 南北通路 リニューアル
㈱京都駅観光デパートは、10月11日(木)にJR京都駅2階南北通路に「京名菓・名菜処 亰」、中央口1階西側に「おみやげ小路 京小町」(南館)をオープンした。
「京名菓・名菜処 亰」
「京名菓・名菜処 亰」は、西口改札正面に673㎡の広さを持つ。JR京都伊勢丹が運営していたSUVACOの跡地に入った。
コンセプトを「多様な駅利用者ニーズに応える京土産・京の食」とし、和洋菓子で18店舗、ほか漬物・惣菜・ベーカリーなどあわせ計32ショップが入った。うち京都本社のテナントが29店、新業態や京都駅新規出店は8店。
新規出店した店はもちろん、老舗も個需要を意識した限定商品などを用意し新しい顔を見せていた。
同社事業開発部の沢田健一部長は、「南北通路の利用者は平日で10万、休日で15万人。内外観光客はもちろん、通勤や出張の方なども多く、その様々なニーズに対応していきたい。土産・贈答のほか、弁当や単品で買えるような自家消費品を充実させている。厨房を設け、最終調理をした出来たてを提供できる店もある。京都の老舗に加え、洋菓子も意識し、魅力ある京都の新店も提案する」と概要を話す。
三昇堂小倉は厨房を設け、同店銘菓の「京生麩餅」などの出来たてを単品から買えるようにし個食対応した。また、大福餅などの生菓子を「ふくふくまんぷく」の名でブランド化しアピール。「しそ香々」「おかず生姜」がアクセントとして入る「京のお漬物大福」などもあり楽しいラインナップとなっている。
新商品として、「生麩ワッフル」が登場し、こちらも厨房で調理しサクサクふわっとした出来たてを提供する。中西恵常務によると、「生麩餅を焼いて食べたら美味しかったという従業員の一言をヒントに、生地の調整など様々なアレンジを経て、完成させた」とのこと。
㈱美十は、「京ばあむ」を串にさした「京ばあむバー」を限定発売。京土産の定番となった同商品だが、食べ歩き需要に対応させる。また、新商品「ちりめん山椒のパイ」は京名産品のちりめん山椒をのせ焼いた塩味のパイ。おたべブランドの商品、辻利ブランドの商品も取り揃えた。
井筒八ッ橋本舗は7色7種の生八ッ橋の詰め合わせ「YUKO dreams」や、リニューアルしチョコ感を増した「京クランチチョコレート」をプッシュ。また、井筒八ッ橋の小袋セットを新販売する。杉野善彦社長は「ここでは、旅行のお土産だけではなく、自分用のものなど、地元京都の方にも買っていただきやすい商品も取り入れた。また、歴史ある伝統の八ッ橋については、小袋に入れることで、近所や会社で配りやすくする商品を用意した。使われ方を広げていきたい」と話す。
限定商品として、聖護院八ツ橋総本店は、こしあんに生八ッ橋生地を重ねた「錦秋」、本家西尾八ッ橋は生八ッ橋生地でくりあんを包んだ「くりおまん」(17日まで)、鶴屋吉信は、カステラ風の生地で挟んだ「月の華」ままれーど、ちーずくりーむ2個ずつのセットを用意した。
俵屋吉富は「京都らしい落ち着いた店づくりを心がけた」とのことで、贈答用などを揃える一方、ハロウィンに向け、ユニークな6種類の上生菓子を亰だけで展開するなど遊び心も添える。
鼓月は、棹菓子の「京あんも」を、個包装にした「姫京あんも」3種を限定販売する。また、千寿せんべい発売55周年を記念した化粧箱が登場し、売り場に華をそえている。
京煎堂は、格子基調で雰囲気ある店作りをした。「茶の葉煎餅」「まめあわせ」などの商品に加え、ココナッツを使用した京せんべい「京ここ」も人気商品として定着してきた。
嵯峨嵐山の鶴屋長生は、「とうふ煎餅」「京の白みそラスク」など人気の焼菓子に、新商品として「京かすてら」を加えた。
今回の注目のひとつが、Dari K。同社は、カカオ農家と高品質のカカオ生産で共同し、Bean to Barのチョコを製造してきた。今回新しくバールスタイルのショップThe Obroma 990をオープンさせる。その場でカカオ豆を挽くマシーンを新規開発。挽きたての香りたつ「カカオプレッソ」が300円で味わえる。
吉野慶一社長は「チョコレートはやはり挽きたてがおいしい。チョコを飲む新しい文化をつくっていきたいと考え、手頃な価格で提供することにした。10月末から開催されるパリのサロン・デュ・ショコラでも紹介する」と語る。
東京駅などで人気を呼んでいるサンドクッキーの専門店プレスバターサンドが関西初出店した。定番のクリームとキャラメルの他、限定商品として宇治抹茶のサンドを用意。
京都発デニッシュ専門店のグランマーブルは、12種類以上の「マーブルデニッシュ」を揃え、オレンジを基調としたスタイリッシュな店舗とした。本家佳長は「九条ねぎ京えびせんべい」などを販売。京名菓のコーナーでは、関製菓本舗の紅葉せんべいなど季節感ある京都の銘店の商品を並べている。
「おみやげ小路 京小町」(南館)
中央口1階西側の「おみやげ小路 京小町」(南館)は、800アイテムほどのお土産商品を取り揃え、集中レジタイプの店舗とした。老舗の京銘菓も多数取り揃え、指定買いにも便利。また、「京の和菓子のれんめぐり」のコーナーもこちらに移動した。通路を挟んで北館は今後改装に入り、来年3月中旬にオープンする。そちらは、対面販売の店舗とする。
12月5日にはJR京都伊勢丹による駅地下1階リニューアルオープンが予定され、京都駅の土産売り場再編は佳境に入っている。