㈱菓業食品新聞社

お菓子の業界紙

かんてんぱぱガーデンに新施設「モンテリイナ」

   

モンテリイナ正面

 伊那食品工業㈱(塚越英弘社長、長野県伊那市)は、3月18日(金)に本社所在のかんてんぱぱガーデン内に新施設「monterina(モンテリイナ)」をオープンした。
 前日の17日に内覧会を開催、プレス関係者ら約30人が参加した。

塚越社長「地域のランドマーク目指す」

挨拶する塚越社長

 内覧に先立ち、塚越社長が施設設立の思いを語った。
「コロナ以前から、地方の各地が町おこしを目的に観光事業に注力するように努めているが、実際は全国どこにいっても大手チェーン、スーパーばかりの同じ風景、それは誰も望まないことだと思っていた。
 当地、伊那バレーの地域のよいところを活かし、ここにしかないものを作りたいという思いから、当施設を設けた。ここは南と中央、2つのアルプスに囲まれた素晴らしい場所である。
 ショップの商品は、埋もれている美味しいもの、良いものを当社従業員が全国でセレクトし、仕入れたものばかりをそろえた。また、見て楽しい雑貨や、当社グループ会社のお酒、イートインのドリンクや軽食も提供する。
 かんてんぱぱガーデンができて33年、年間約40万人が訪れる地域の観光地となっている。今までは、どちらかと言えば癒し、憩いの場所というイメージだったが、さらに、地域のランドマークとなり、来てもらってワクワクする店にしたい。そのためにも、よき食品素材選びからチャレンジしていく。
 街づくり、街おこしは、企業の使命である。社員、地域の人、訪れる人すべてが幸せになれるような場所にしていきたい」

2階へ続く中央階段

 続いて、塚越亮専務取締役が館内ツアーを担当。
 1階エントランスから広い吹き抜けの階段が広がり、開放感に満ちている。
 施設名の由来は、山を意味するイタリア語「monte」、フランス語「montagne」と伊那市の「ina」を組み合わせたもの。1階に109坪のマルシェとカフェ&ベーカリー(89坪、カフェ40席)、米澤酒造ショップ(12坪)、2 階には78坪の生活用品・雑貨ショップとフリースペース(61坪)、キッチンスタジオ(25坪)を設けた。

マルシェ、社員がよりすぐりのセレクト1200品

 1階右側のマルシェには、国内外の選りすぐりの菓子、ジャム、フルーツ、乳製品、海産物をはじめとする加工食品から地元の農産物まで、約1200アイテムをジャンルごとに陳列した。中ほどに京都のコーナーも設置し、菓子やお茶、漬物などバラエティーに揃えた。
 中央奥の酒造ショップには、米澤酒造の銘酒を揃え、伝統の道具「木槽」を再利用したカウンターテーブルで試飲が楽しめる。

ようかんコレクション

 また、同社が以前から企画してきたようかんコレクションコーナーを設け、虎屋(東京都)、美濃忠(愛知県)、大阪の駿河屋(大阪府)、米屋(千葉県)、回進堂(岩手県)ほか、全国の老舗商品を並べた。
 
 塚越社長は
 「商品の仕入れを従業員に任せることが、今後の営業活動のためのスキルアップにも繋がると思う。ショップの売上げ目標など特に定めておらず、お客様のためによりよい商品を販売することに注力していく」としている。

寒天使用のベーカリー、カフェ、スイーツ、ジェラート、ギフト・生活雑貨、キッチンスタジオ‥‥

寒天入りパン使用のサンドイッチ

 カフェ&ベーカリーコーナーにはサンドウィッチ、食パン販売の「SANCH」、おいもスイーツ「おいも日和」、ジェラート「シュテルン」の3店舗がプロデュースする魅力あふれるメニューを提供。「SANCH」のパン全品に伊那食品工業のかんてんが使用されている。
 1階カフェ及び2階のテラス席からは、雄大な南アルプスを一望できる。

 2階フロアには「アニマルラバーバンド」「ソイル」などの有名ブランドがスタイリッシュなギフト雑貨から生活用具などを販売するショップエリアのほか、セミナーなど多目的に使えるフリースペースとキッチンスタジオも設けた。同社の料理教室も収録する予定。
 中央奥の壁面に10㍍×2・5㍍の巨大LEDビジョンを設置、様々な情報を放映する。

 なお、オープン後は一日に1000人前後が来場しているが、混雑回避への入場制限の告知を事前に行ったため、快適な状態が続いている。売れ筋ナンバーワンはパン類だが、羊羹が同社の予想を上回る人気となり、全国銘菓への興味の高さがうかがえる。

 モンテリイナ
 鉄骨作り地上2階建て、敷地面積8083㎡、1・2階延床面積合計約701坪、店舗面積1階約201坪、2階約164坪。
 駐車場台数は80台(その他、かんてんぱぱガーデン内に700台、すべて無料)。
 年末年始を除き年中無休、営業時間は9:30~18:00(季節変動あり)。