㈱菓業食品新聞社

お菓子の業界紙

京阪宇治駅そばに新施設「茶づな」

   

茶つな

*2021年10月12日号より

 宇治市菟道丸山にできた「お茶と宇治のまち歴史公園」の中に、10月1日(金)ミュージアムと体験教室や交流スペースをもつ「茶づな」がオープンした。
 同施設にレストラン・カフェとして、㈱岩井製菓が運営する「とにまる」の新店が入った。

 2007年に京阪宇治駅の西側の宇治川沿いに、太閤堤の遺構が状態の良い形で見つかり、国の史跡に指定され、発掘調査が行われてきた。この8月21日に遺構の再現エリアや茶畑、芝生の広場等をもつ歴史公園としてオープンしたところだった。

 太閤堤とは豊臣秀吉が伏見城を築き、伏見桃山を都として整備するにあたり、水陸交通を整えるために作った3つの堤の総称。これにより現在のような宇治川の流れが形づくられ水運を確保し、堤の上は大和街道等として整えられた。

 新施設「茶づな」は2階建て2300㎡の広さをもつ。当初の開館予定は今年6月中旬。新型コロナの影響で延期されてきたが、緊急事態宣言が解除に合わせオープンした。

体験教室

 「茶づな」では、2つの部屋で、1日計8回行う体験教室に力を入れる。
 茶臼で作る抹茶作り、利き茶、茶道などお茶関係のほか、京都府菓子工業組合青年部が協力し上生菓子づくり教室を行う。その他、茶筒作り、組み紐等々の充実したプログラムが用意されている。また、野外では茶摘み体験や煎茶手もみ実演なども行う予定。

ミュージアム

 ミュージアムは、宇治茶と宇治の歴史にテーマを分け、前者では歴史、製法、伝統技術等多角的に説明。また、後者では太閤堤についても説明した。宇治観光を紹介するデジタルサイネージやショップカードのコーナーを設け、宇治観光の拠点とも位置づける。
 館長は「まずは地元に人に活用していただきたい。コロナ禍収束後は定期的にイベントもしていきたい」と話す。

とにまる 茶づな本店

 「とにまる 茶づな本店」は、同ブランドの旗艦店になる。
 ㈱岩井製菓の本社工場はすぐ隣にあり、この宇治菟道の地から、京飴を発信しようとした同ブランドとしての悲願が達成したことになる。
「ひやしあめと宇治茶に特化した商品づくり、岩井製菓の飲食店の新たな取組みを常に発信するブランドとして、さらにブラッシュアップしていきたい」としている。

 店内に56席、テラスに16席を設けた。広々と開放的な空間で、公園の散策路からも直接アクセスできる。
 メニューに関してスイーツではパフェの充実が目を引く、ひやしあめ、抹茶に加え玄米茶、ほうじ茶が誕生した。
 ぜんざいや、抹茶セットなども用意する。
 ドリンクでは、コーヒー等のほか、同社名物のひやし飴やあめ湯もある。

「太閤堤カレー」

 フードでは、ハンバーグプレート等のほか、今回「太閤堤カレー」が登場した。太閤堤の形にご飯をもり、堤の特徴的な杭をそうめんで表現。さらに、茶畑をブロッコリーで表し、そしてカレーにプロランタンを載せ、宇治川に浮かぶ舟を表現している。
 なお、多くのメニューはテイクアウトに対応する。