㈱菓業食品新聞社

お菓子の業界紙

京都伊勢丹で、山水會

      2020/12/26

 ジェイアール京都伊勢丹では、創業祭の一環として山水會とのコラボ企画が行われている。

 山水會とは21年前、老舗京菓子店の若手が集まって立ち上げた勉強会。吉野葛など原料の産地を訪ねたり、伝統工芸の勉強会などのほか、企画展示会なども開いてきた。

 今回、週替りの企画販売コーナー地下1階「和菓子SPOT」では、9月11~17日、メンバーのうち12店が出店し、代表銘菓などが販売された。また、それぞれのお店の思いのこもった上生菓子の展開もあった。

 同じく地下1階のイートインスペース「菓子のTASHINAMI」では、12~24日、メンバーのうち9店舗の上生菓子と一保堂茶舗の抹茶のセットを日替わりで提供している。

 また、カウンター越しに山水會メンバーの話が聞けるセミナーを計4回開催している。髙家啓太(塩芳軒)、𠮷村良和(亀屋良長)、谷本清一(笹屋春信)、元島真弥(千本玉壽軒)の各氏が登場し、各会定員7名という贅沢な会だ。

 12日は髙家氏が、菊をモチーフとした菓子を題材に「鳥の目、虫の目」というテーマで話した。

髙家啓太氏(塩芳軒)

 遠くからの視点で作られた、きんとん製の「菊の園」。
つくね芋の生地を、馬の毛の細かな通しに通す。「短めにふわっと通すのが当店の流儀だ」と語る。2色の細かなきんとんが菊がたくさん咲いている様子を感じさせた。
 また、近くの視点で描いた「菊花」(こなし製)では、ヘラで一個の菊の花をかたどる。ちょっとしたヘラの使い方で、梅にも桜にも椿にもなる。その引き算の美についても語った。

 最後にこなしにきんとんをのせた「着せ綿」を作り、カウンター越しに和気合い合いと受講者の質問を受けながら京菓子の世界の一端を語った。

「着せ綿」