㈱菓業食品新聞社

お菓子の業界紙

だがしの日 ― DAGASHIで世界を笑顔に!

      2019/03/29

「駄菓子で笑顔を、世界に!」

 DAGASHIで世界を笑顔にする会(会長=㈱大町・秋山秀行社長)では、「だがしの日」の3月12日(火)やその前後に、全国17ヵ所でイベントを開催した。

 同会は、駄菓子は日本の文化であり、その良さを世界に広げようと2015年に有志企業18社で結成された。お菓子の神様、田道間守命の命日である3月12日を「だがしと笑顔の交換日」とし、5年前からイベントを行ってきた。趣旨への共感が広がり、年々開催地が増えている。

 また、災害被災地へ笑顔を届ける復興支援として、昨年は東日本大震災で被害にあった石巻市でも開催された。
 今年は昨年の西日本豪雨で被害を受けた岡山県倉敷市真備町、広島県呉市、愛媛県大洲市でも開催した。

京都 三条会商店街で初開催

 今年初めて取り組まれた京都では、㈱丸正高木商店の髙木誠治会長を実行委員長に、3月9日(土)三条会商店街で開催された。後援は京都三条会商店街振興組合、協力は京都府菓子卸商業組合等。

 商店街の中ほど三条大宮公園を主会場にステージが用意され、駄菓子アイドルのショーや投げ銭ライブ、紙芝居など多彩に行われた。また、駄菓子つかみ取り・つめ放題のブースや縁日コーナー、駄菓子バーを設置。商店街の両入り口付近にもコーナーを設け、駄菓子つかみどりや大道芸が行われたほか、商店街を音楽隊が練り歩きアピール。ロッテのコアラのマーチのキャラクター「マーチくん」「ワルツちゃん」も登場した。
 家族連れなど多数来場し、子どもらの笑い声が響く賑やかな半日となった。

京都 メイン会場の様子

 14時からの開会式では、髙木実行委員長が「みんなが笑顔になれる盛りだくさんの企画をしているので、楽しんでほしい」と挨拶し、来場者と一緒に「駄菓子で世界を笑顔に!」とコールした。
 続いて秋山会長は「3月12日はにっこりしたら、駄菓子をもらえる日として広げ、世界中を笑顔にしたい」と挨拶。

秋山会長による紙芝居

 続いてステージでは、ちんどん屋に扮した秋山会長による紙芝居が行われた。夫婦喧嘩から戦争まで、争いを駄菓子で笑顔にして解決する話で、合間に駄菓子当てクイズや、オリオン㈱の小西 靖宏社長、チーリン製菓㈱の福井憲治副社長らが協力して駄菓子の配布も行われた。ストーリーは秋山会長が考えたもの。

駄菓子アイドルda-gashi☆

 昨年結成された平均年齢13歳の駄菓子アイドルda-gashi☆が登場すると、多くのファンも詰めかけた。笑顔と元気いっぱいの声が公園に響いた。握手会も開催。

商店街でも駄菓子のつかみ取り

 卸売ひろば タカギ(㈱丸正高木商店)が、1回100円の駄菓子のつかみどり、1回200円の駄菓子つめ放題を用意。京都新聞での広告やチラシのほか、事前に同商店街180軒にチケットを配布していたこともあり、大きな集客となった。菓子は4千人分を用意し、会場には長い列ができ、次々にチャレンジしていた。

 河原町の駄菓子バーA―55が出店。お酒のほか、切り抜き板ガムなども用意した。同店は「30歳くらいの女性が中心の客層で、外国人旅行者も多い」とのこと。

 ピスタチオ小西とBB不二子のライブでは、駄菓子にまつわる歌も披露され、「ワルツちゃん」や子供たちもステージに上り、みんなで盛り上がった。
 また、事前に集めただがし川柳には、276人の応募があり、すべて掲載した冊子も配布した。

門川市長と出演者一同

 来場した京都市の門川大作市長が挨拶に立ち「ここは、大正3年に創設され100年を超える歴史があり、800メートルの関西最大規模の商店街だ。昔はたくさん駄菓子屋があった。子どもから大人まで楽しめる駄菓子文化を復活させよう、世界へ広げようという取り組み、すばらしい限りだ」と話した。
 会場となった三条会商店街周辺にはかつて30軒近くの菓子問屋が集積しており、大阪・松屋町などと並び「お菓子の聖地」だったという。

西日本豪雨 被災地3ヵ所でも開催

 秋山会長は「開催する17ヶ所から様々なオファーが来ている。明日は出雲大社で紙芝居。そして、西日本豪雨で大きな被害の出た3ヶ所で、各市と共催のもと開催し、紙芝居やちんどん屋も行う。3月12日は東日本大震災の翌日であり、被災地の子どもたちを笑顔にしたいという思いは最初からあった。設立総会でも福島から避難している子どもたちを上野動物園に招待した」と語った。

駄菓子は日本の原点
 駄菓子文化を消さないために

 また、「紙芝居は毎月一回、子どもたちを集めてやっている。ちんどん屋は江戸時代に飴売りから始まっており、紙芝居も昭和初期、駄菓子を広げるために始まったもの。駄菓子はお菓子の原点、日本の心の原点だと思う。駄菓子業界は共存共栄で、駄菓子は貧富を超えて平等に笑顔を与える。フランスとイタリアで紙芝居をやってきたが、この日本発の駄菓子文化を世界に広げ、世界平和につないでいきたい。現在、駄菓子店そしてメーカーも減っており、危機感をもっている。この文化を消してはいけない。若者が買い、そして作り手になってもらうためにも『だがしの日』をやっている」と話す。

 イベントを終えて、高木実行委員長は「晴天に恵まれ、来場者は1万人を超えたのではないか。商店街にもプラス効果があった。本部や春日井製菓さんなどから菓子の提供をいただいた。当社ではかなりの持ち出しになってしまったが、大きな普及活動となったと思う。なにより、来場者に楽しんでいただけたことが嬉しい」と語った。

昨年に続き 大阪でも

 大阪会場の小松商店街(大阪市東淀川区)では3月12日(火)午後2時より、昨年に引き続き、大阪経済大学の学生たちの企画・設営のもと開催された。
 近隣の保育園、幼稚園、小学校から子どもたちが集い、ゲームをしてお菓子がもらえるイベントに行列をなして楽しんだ。
 同商店街の中村卓司会長は「昨年、予想以上に多くの子どもたちが来場し、お菓子を1500個用意していたが足りなかったため、今年はお菓子の量を3倍にしてもらった。下町の商店街は、駄菓子のイメージにマッチしていると思う。来年もまた、ぜひ続けていきたい」と語っていた。